2月11日の夕方放送されたスーパーニュースの中で,鬼塚・吉村法律事務所が取り上げられました。
法曹養成制度や若手弁護士を取り巻く現状という,一般の方にはあまりなじみのないテーマだったと思いますが,その中で私がインタビューを受け,コメントのいくつかが放映されました。
現在,弁護士(裁判官や検察官になるのも同じですが)になるためには,大学を卒業した後,法科大学院に2年ないし3年通った後,司法試験に合格したら,1年の司法修習を受けなければなりません。
この司法修習の間,司法修習生は修習に専念するため,かつてはお給料のようなものが出ていたのですが,現在ではそれが廃止され,国からお金を借りる形になっています。
司法修習生はアルバイトなどは禁止されているため,現実にはお金を借りなければ生活が成り立たないわけです。
そのことと,先ほど申し上げた法科大学院に通わなければならないことから,弁護士を目指すためにはとてもお金がかかるようになってしまいました。若手弁護士の中には,学生時代に借りた奨学金と,司法修習中の貸与金を合わせると,1000万円近い借金を背負っているという人もいます。
その結果,多くの人たちにとって,弁護士という職業は魅力的でなくなってしまったのか,弁護士を志す人が減ってきているという現状を生んでいます。
これはとても残念なことですし,この国の司法制度全体のことを考えてみても,決していいことであるはずがありません。
法曹養成制度のあり方については,いろいろな議論のあるところですが,難しい理屈は抜きにしても,事実上借金を背負わなければ取得できない国家資格があるというのは,どう考えても理不尽ではないでしょうか。
とまあ,せっかくテレビに取り上げられたのに,あまり明るい話題ではなかったわけですが,しかし,私たち弁護士の力を頼って相談に来られる依頼者の方達は,もっと大きな不安や問題を抱えて来られる方達が多いと思います。
私たち弁護士にも不安はありますが,そのような方達に,問題を解決して笑顔を取り戻していただくためには,私たち弁護士が不安に負けているわけにはいきませんね!
弁護士 吉村 真一